大切なもの
――家の前


「送ってくれて、ありがとう」
「俺のほうこそ、買い物付き合ってくれてサンキューな。じゃぁ、また明日」

私は帰ろうとする樹の腕を掴んだ。
「沙和?どうかしたか?」
「あ、あのね?こ、これ…樹に」
そう言って、鞄から例のものを出し、樹に渡す。
「?開けてもいいか?」
「う、うん…」

樹は袋からそれを出す。

「…リストバンド?」
「い、樹に似合うと思って…。それに渡し、いつも樹に助けてばかりだし…。
なにかお礼したいなって…キャッ!」

言い終える前に、樹が渡しを強く、抱き締めた。

「ヤバい。嬉しすぎる…」

耳元でする樹の声が、とてもくすぐったい。

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