北極星の約束
「でも、じゃあ鈴と遊べないよ」



「そうね、鈴は寂しくなっちゃうね。


お姉ちゃん今までいっぱいいっぱい、

苦しかったの、鈴も知っとるでしょう?」




「うん、知っとるよ」



「だから、しばらく


お姉ちゃんはあのお星様でお休みすることにしたの」




「しばらくってどれくらい?」


「鈴が、大きくなって、大切な人と巡り合って、


その人と一緒に生きていって…



それからやから、

ずっとずっと先になっちゃうわね」




母親は目に涙を溜めていた。



「そんなの、やだよ。

鈴、お姉ちゃんと遊びたいよ」




「わがまま言わないの!」

軽く怒鳴られて、鈴は身を縮めた。



「さっきも言ったでしょう?

お姉ちゃんはあのお星様から鈴のことを見とるわ。


鈴がいい子にしとったら、鈴が寝とる間に会いに来てくれるかもしれないでしょう?



だから、鈴はそれまで、いい子にして待ってなさい」




「…わかった。

鈴、いい子にしとる。


お姉ちゃんのお星様、降りてくるように」
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