北極星の約束
「お姉ちゃーん!

どこにおるのぉー?


早く帰って来てよー!!」


鈴の声は近所中に響いた。




「鈴、やめなさい」


父親が止めても、鈴は続けた。




「お姉ちゃん、帰って来て、鈴と遊んでよぉー!」



そんな鈴を母親は強く抱きしめて言った。




「鈴、よく聞くのよ。




亜実は…お姉ちゃんは、もうお家には帰ってこれんの。

でもね、鈴。



お姉ちゃんはあそこにおるから…ほら、見て」




母親は上を指差した。



「どこぉ?」




「鈴、あの1番大きなお星様、見える?」





「うん、見えるよ」



「あの星はね、春も夏も秋も冬も、


ずっとずーっとあそこにあるんよ。




今日からお姉ちゃんは、あの星から鈴のことを見守っとるわ」
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