北極星の約束
冬たちに申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、
3人も病人の家に長居するのも、と言って帰っていった。



1人になったあと、鈴は母親に電話を掛けていた。



『もしもし、鈴?
どうかした?』



母親の声はいつもと同じように優しかった。



「お母さん、
頭痛いから、お母さん帰って来たら病院連れてってほしいんやけど、いい?」



少し控え目に言った。



鈴の家の近くには、大きな総合病院がある。



風邪を引いても、大きな怪我をしても
診てもらうのはその病院。



しかしそこは、11年前、
亜実が息を引き取った場所だった。



母親はそこへ行くといつも、
少し悲しそうな顔をする。

だから鈴は極力、病院に連れていってほしいとは今まで言わなかった。
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