北極星の約束
『珍しいわね、鈴が病院行くなんて。

あんまりひどいようなら今から帰るけど、
どうする?』



「お母さん仕事終わってからでいいよ。

今は大丈夫やし。



じゃ、仕事頑張ってね」



『そう?
何かあったら電話しなさいよ?』


「わかってるよ。
じゃあね」



電話を切ったあと、鈴はぼんやりと考えていた。



母親はいつも鈴に優しい。

昔から優しかった。



でも、亜実がこの世を去ってからは特に優しい。



鈴が亜実の年になったくらいから、
親戚や近所の人によく言われるようになった。



「亜実ちゃんによく似とるわね」


母親が自分に優しいのは、



もしかしたら、



姉、亜実の姿を
自分に重ねているからかもしれない、と。
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