北極星の約束
「鈴?どしたん、元気ないやん」



翌日、鈴は冬の家に来ていた。




「あんね、冬。


あたし、癌かもしれんのって」




「話があるん」
昨日病院から帰った後、鈴は冬に電話でこう言った。


亜実と同じ病かもしれない、という事実を

鈴は一人で抱え込める自信がなかった。



母親は鈴よりもショックを受けているようで、

昨夜は亜実の仏壇の前で、
父親に支えられながら静かに泣いていた。


こんな時、頼れるのは冬しかいないと冬に電話をかけた。



「鈴…嘘やろ?」



「まだ、わからん。

でも、脳に腫瘍がある可能性が高いから、
詳しい検査してもらって…


結果は火曜日に聞きにいってくるん」




「そっか…。


癌って、お姉さんと同じ…」



「うん。やから、お母さんもお父さんもショックみたいで。


あたしのせいで、お姉ちゃんの時と同じように悲しませてもて…」



鈴は抱えていた膝に顔をうずめた。



「そんなん…
鈴のせいっちゃうよ。


それに、まだ分からんのやろ?

大丈夫やに!
きっと、何かの間違いやから。心配せんときな、ね?」
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