北極星の約束
祖母にあやされておとなしくなっていた鈴は、


火葬場で姉の入った棺が燃やされるのを見ると



泣き喚いた。





「ママ、パパ!


お姉ちゃん、あの箱に入っとるよ!
熱い熱いって言っとるよ!



なんで助けてあげんのぉっ!?」



鈴の言葉を聞いて、

周りにいた大人たちは涙の呑んだ。




「この子に、姉の死はまだ早すぎた」

そう思った父親は、

祖母に

鈴と一緒に外に行くように言った。





その夜。


姉のいない家に帰り、

鈴はまた泣き喚いた。




「お姉ちゃんを探してくる!!」



と言って、外へ飛び出して行ってしまった。





「鈴っ、待ちなさい!」


両親は鈴を追いかけた。
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