暴走族の秘密の姫君
「片桐先生にもあとで謝らなくちゃ…」
そう思ったところに片桐先生がかえってきた。
「あ、めーちゃん!ありがとう」
鈴木君が片桐先生に向けて笑いかける。
その笑顔はいつにもまして柔らかいものだった。
「…めーちゃん?」
私がそう不思議そうな顔をすると、鈴木君はふっと黙り込んでしまった。
「めーちゃんは私のこと。私の名前、片桐芽衣(Katagiri Mei)っていうの」
めーちゃんは先生のこと?
じゃあ…もしかして…。
「月辺さんが思ってることと多分一致するわ。
付き合ってんのよ。ね、伊織?」
片桐先生からびっくりするような言葉をさらっと告げられる。