暴走族の秘密の姫君


「片桐先生にもあとで謝らなくちゃ…」


そう思ったところに片桐先生がかえってきた。



「あ、めーちゃん!ありがとう」


鈴木君が片桐先生に向けて笑いかける。


その笑顔はいつにもまして柔らかいものだった。



「…めーちゃん?」


私がそう不思議そうな顔をすると、鈴木君はふっと黙り込んでしまった。


「めーちゃんは私のこと。私の名前、片桐芽衣(Katagiri Mei)っていうの」


めーちゃんは先生のこと?


じゃあ…もしかして…。



「月辺さんが思ってることと多分一致するわ。



付き合ってんのよ。ね、伊織?」


片桐先生からびっくりするような言葉をさらっと告げられる。


< 11 / 99 >

この作品をシェア

pagetop