暴走族の秘密の姫君
―キーンコンキーンコンキーンコン
いつも思うけど、6時間目を終えるチャイムの音って変ってると思う。
絶対変だと思う。
帰りの荷物も準備をしていると、ふと視線を感じた。
顔を上げると、クラスのほぼ全員の女子がこっちを睨んでいた。
…意外と怖いもんだね。
なんだか異様な光景に隣の鈴木君もきょろきょろとあたりを見回していた。
「…紫ちゃん、大丈夫?」
心配してくれたのか鈴木君が私に声をかけてきてくれた。
「うん、大丈夫よ。ただ、時計塔裏に呼び出されただけ」
「…っ、それって!」
私のひょうひょうとした返答に鈴木君が驚いていた。