暴走族の秘密の姫君


―――


そして、放課後になってしまった。


みんながいっせいに席を立ち、私のほうをのぞきこむ。


「おい、裏庭行ってやろうぜ!来いよ、月辺」


そう言ってその男子は意地悪そうな笑みを浮かべる。


あぁ、こいつってやっぱりこういうやつだったんだ。


そういう思いが私を支配した。


私は返事をするのも面倒なので無言でついていく。



多分、男子と私が先に歩き、その後ろをクラスのみんながついて行っているというこの構図は異様なものだったんだと思う。


廊下には、私たちの足音しか響かない。


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