暴走族の秘密の姫君
「遅いんじゃない?それが本気?」
ちょっと挑発っぽく笑いながら問いかけてみる。
「んなわけねぇだろ?」
相手も笑いながら私にパンチや蹴りを吹っかけてくる。
本気を出したんだと思う。
でも、それでもなんでかよけられる程度のスピードにしか感じない。
「…っ、なんで当たんないんだ…?!」
「じゃあ、私からね。ちゃんとよけてよ?」
そう言って私は手を前に勢いよく突き出した。
相手の、顔面を狙って。