暴走族の秘密の姫君


何台も来ていたからうるさいっていう印象しかなかったけど…。


何分たってもどこにも行かないから、玄関から外に出て下をのぞいてみる。



しばらくそうしていると、隣の家から零が出てきた。



「…零?」


私がそう声をかけると、零は心底驚いたような顔をした。



「紫…。こんな時間にどうしたの?!」



「いや…バイクの音がうるさかったから、来ただけ」


そう応えると、零は申し訳なさそうな顔をする。


「そっかぁ…ごめんね…。今度からは来させないようにするから」


…この言い方…このバイクたちって零の知り合いなんだろうか。


「零、あの人たちと一緒にいつもどこかに行ってるの?」


私が聞くと、知ってたの?!と驚く零。


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