暴走族の秘密の姫君


「うん。毎日鍵が開く音が聞こえてきてた」


そう私が言うと、あちゃ~という表情をする零。


「そっかぁ…ばれてないと思ってたんだけど…。知らなかった…。


まぁ、そうなの。いつも私とあいつらでつるんでるの。夜とか…休みの日は昼からだけど。


きょうは私たちにとって大事な日なの。行ってくるね…」


ふふ、と笑ってエレベーターのほうへと向かう零。


零って大学生だよね…勉強とか大丈夫なのかな。



零の仲間か…。良いな、会ってみたい。



「ねぇ、零!」


そう私は零を呼びとめた。

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