暴走族の秘密の姫君

そう言って零は私を置いて走って行ってしまった。


…絶対、また零に会いたい。


零にも…撫子にも…夏樹にも。


私…必ずまたあの倉庫の扉を開けたい。


でも、それまでにはあと1年は必要だ。


受験を乗り越えて、高校生活が落ち着き始めた、夏休み中。



あと、1年だ。それだけの辛抱だ。


それまで、私は一人でもがんばらなくちゃ行けない。



―――――――――――


こうして私は今ここに居る。


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