暴走族の秘密の姫君


ポスっと言う音がして、私の頭の上に何かが乗ったのが分かった。


…上を見ると乗っているのは鈴木君の手のようだった。


「紫ちゃん、大丈夫?」


「…っ、な、何が?」


いきなり考えたことを当てられたように鈴木君から質問が投げかけられた。



「…紫ちゃんさ。さびしそうな顔してるって自分で気づいてる?」



…私、そんな顔してないと思う。


そう思い、ふるふると首を横に振る。


「そっか。


うんと…さびしくなったら、いつでも俺とか汐梨とか…他のみんなのことも頼って」



結論だけいうと、私の頭に乗せていた手を降ろしてくれた。


…私が寂しそう?そんなことないようにずっと振る舞って来たのに。



それに、汐梨ちゃんがさっきの子だったらほかのみんなって…いつも一緒に居る5人組ってこと?



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