暴走族の秘密の姫君


…そういえば、ここにいるってことは鈴木さんたちは皐月の幹部なんだ。


けれど、1年前にここに居た時に鈴木さんたちはいなかった。


最近入ったってことかな。



不思議そうにしている5人に零が声をかけた。


「汐梨、これがかの有名な‘ムラサキ’だよ。紫をもじっただけだけど」


そう言って零は笑った。


…ムラサキ?私のことなんだろうとは思うけど。


「月辺がムラサキ…?俺の憧れていた人は、こんなにも近くに居たのか」


そう驚くのはさっき戦った蛍、って呼ばれてた男の子。


私に憧れてた?


私に…憧れる価値なんてないよ…。


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