暴走族の秘密の姫君
「月辺さんすごいね!!私、紫って呼んでもいい?」
えへへ、と笑いながら問いかけてきたのは鈴木さん。
「汐梨、そんなに急がないの。みんな、自己紹介。うーん、夏樹と撫子はいいや。紫と知り合いだもんね。
紫、これから皐月として私たちと一緒にやっていこう。紫からも最後に自己紹介お願いね」
そう言われたので、一応こくりとうなずく。
「じゃあ、私からね!」
そう言って元気に手を挙げたのは鈴木さん。
「鈴木汐梨16歳ね。称号は文月。ちなみに彼氏はいないんだよ!私のことは汐梨って呼んで!今日から友達だね、紫」
そういって彼女は朗らかに笑った。
「し…汐梨?」
そううつむきがちに呼ぶと「かわいいー!!と言って抱きつかれた。
かわいくないと思うんだけど。