24時間プロデュース【完】
「“あれ?俺ってこのまま進むと芸能人?
お芝居はやりたいけど芸能人になりたいって訳じゃ…
でも母親の夢でもあるし、それを抜きにしても
ここまでやって来たんだし今更別の道ってのも…
だけど本当に俺がやりたい事って叶うものなのか?”って」
「すっごく悩んだんだね?」
「禿げそうになる位な」
「禿げなくて良かったね」
「まあな。
…ってそれは置いといて」
架はゴホンと一つ大きな咳払いをすると続けた。
「俺がやりたい事を応援してくれる人とそうで無い人がいる事知ってたし、
半分は芸能界に入りかけてた訳だから
周りの反応全無視って訳にもいかなかった」
どきりとした。
それはつまり不自由な選択を迫られているのだと
あたしでも分かってしまったから。