24時間プロデュース【完】
「…それで?」
話の続きを促して、ちらりとウサギの縫いぐるみの方へ視線を流した。
ああ、何だか架の事なのに自分の事の様に胃が痛む。
お互いを取り巻く環境は混ざり合う事無い程違っている筈なのに。
「…それで、更に考えた。自分の可能性に線を引いてしまったんだ」
「……、」
「“なりたいもの”と“なれるもの”って別なんだなって」
ぐっ、と唇を噛み締めるしか無かった。
分かってるよ、私にだって分かってるよ。
もう夢を夢のまま見ていられる歳じゃ無いから。
ただ、架がそれを悟ったのはあまりにも早い。
周りの環境故、そう理解せざるを得なかった。
その事実が酷く辛いし悲しいよ。