24時間プロデュース【完】
ぽんぽん、と頭を撫でられる。
びくっとした。
「いちるは今まで本気で人を好きになった事がある?」
「…うん、高一の時。
別れちゃったけど」
「じゃあ大丈夫だ」
大丈夫、って
――何が?
「人は愛された事があるからこそ
人をまた愛する事が出来るんだって、
以前読んだ本に書いてあって。
それは俺のお気に入りの台詞なんだけど」
「うん?」
「さっき言ったよな、
“小さい頃家族で遊園地に来た”って。
あの頃、幼くて気付かなかっただけで
確かにいちるは愛されてたんだと俺は思う。
だから、親子連れの家族を見たり、一人で頑張ってると寂しい気持ちになるんだよ。
愛されてた過去があるから、そしてそれを頭では忘れていても心が覚えてるから」