24時間プロデュース【完】
「…分かった、行かない。
逃げないし、誰も連れて来ないから。
だから、足、離してよ」
宥める様にそう言って、男の背中を軽く擦ってやると。
「……、」
男は安心したのか漸く掴んでいた
あたしの足を解放した。
それを見届けて、今度は男の横に身を傾けて
背中をゆっくりと擦ってやる。
それを繰り返す内、息遣いは段々静かになり
やがて呼吸も治まり始めた。
ひゅー、ひゅー、
と男の吐く息遣いの音が大分静かになってきた時、
あたしは今一度訊ねてみた。