24時間プロデュース【完】
――約一年。
病気を申告されてから、たった一年でそんな…
ぐっ、と唇を噛み締める。
ダメだよ、架が表情に出してないのに
あたしがそんな辛い表情してちゃ。
分かりもしない同情は相手を傷付けるだけなんだって、
喫茶店で分かった様な同情をしない架の返答に嬉しくなったじゃない。
その時の架を裏切る事になる。
それだけは絶対にしたくない。
「んで入院生活をしつつ、調子の良い時は学校に行って。
勿論、仕事は全部ストップ。
社長が
“高塔架は暫く学業に専念する事になった”
なんて気を遣って
断る仕事先の人に説明してくれたから
悪い様には思われ無かったとは聞いてるけど」
“実際の所はどうだかねー”
架は前髪をくしゃりと掻き上げて笑った。