24時間プロデュース【完】
もう充分だった。
痛かった。
こんなに辛い状況なのに、それでもあたしに悟られない様
明るく振る舞ってみせる架が上手過ぎて泣きたくなった。
胸が痛い。
ナイフが深く突き刺さって、抉られているみたいだ。
ズクズク、じわじわと痛みが増していく。
本当は今すぐにでも泣き叫びたい、泣き喚きたい。
でも架より先にあたしが泣くなんて事出来無い。
泣く声に気付かれて此処に居る事を見付かる訳にもいかない。
だから、限界の今も何とか持ち堪えている。
“芸能人様は体力無いなー”
何て事を言っちゃったんだろう。
“最近テレビで見掛け無いじゃん”
そんな阿呆な事を言い掛けてしまったんだろう。
あの時の架の表情が強張ったのも当然だ。