24時間プロデュース【完】
そっか、これが架の足踏みだったんだ。
将来の夢もやりたい事も無いあたしが
適当に大学進むとか専門行くとか就職するとか選べない、と駄々を捏ねた時。
“保障も無いのに迂闊な事は出来無いし
踏み出す足を渋る気持ちは解る”
そう言ってくれた。
あの時はそれが“何とは言わないけどね”って隠されたけど。
――手術の事だったんだね。
架の足踏みしているものは。
でも、足踏みっていつまでも出来るものじゃ無いよね?
いつまでも同じ場所に立ってなんかいられないから。
あたしも、架も。
結論を出さなきゃ、って。
答えを出さなきゃって。
そんなのあたしも架も分かってる。
でも急かされれば急かされる程
見付かりそうだった答えに逃げられて。
焦りと不安が増すばかり。