24時間プロデュース【完】



そっか、これが架の足踏みだったんだ。


将来の夢もやりたい事も無いあたしが
適当に大学進むとか専門行くとか就職するとか選べない、と駄々を捏ねた時。



“保障も無いのに迂闊な事は出来無いし
踏み出す足を渋る気持ちは解る”


そう言ってくれた。


あの時はそれが“何とは言わないけどね”って隠されたけど。


――手術の事だったんだね。


架の足踏みしているものは。



でも、足踏みっていつまでも出来るものじゃ無いよね?


いつまでも同じ場所に立ってなんかいられないから。


あたしも、架も。


結論を出さなきゃ、って。

答えを出さなきゃって。


そんなのあたしも架も分かってる。


でも急かされれば急かされる程
見付かりそうだった答えに逃げられて。

焦りと不安が増すばかり。




< 322 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop