24時間プロデュース【完】
「それがいちるの願いなの?」
「うん」
「いちるの望むものじゃ無いかもよ?」
「それでも構わない」
「…同情したいの?」
「ううん。同情はしない。でもちゃんと気持ちを知って悲しみたいし悩みたいの。
高塔架って言う人間が好きだから」
視線が真っ直ぐにぶつかり合う。
逸らす事はしなかった。
あたしだって本気だ。
「……。」
「……。」
重い空気の中、数秒間無言で見つめ合った後。
架に右腕を引かれた。
「…少し、座って話そうか」
そうして薄暗い建物の裏口であろうコンクリートの段差に
二人して座り込む。
ひゅう、と肌寒い風があたし達二人の間を横切った。