24時間プロデュース【完】




隣の架の声が、震えているのが分かって

あたしは
その顔を怖くて見れなかった。


見られたく無いんじゃないかと。

架はどうしたら良いか分からないと言ったけど。

こんな時どうしたら良いのか分からないのはあたしの方だ。


同い年の男の子の慰め方すら癒し方すら分からない。


悔しい。悔しい。


だから居るか居ないか分からない神様に八つ当たりする事しか出来無い。


どうしてなんですか、神様。


どうして架なんですか。


こんなに夢に向かって直向きな少年の邪魔をしようとするのですか。


それともこれが役者としての一つの試練だと言うのですか。


これもオーディションと同じくして“選ばれた役柄”だと言うのですか。


立派に演じ切らなければならないのですか。



…あんまりです。




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