24時間プロデュース【完】
「仮に手術が成功しても演じる事が出来無い世界じゃ
それは俺にとって死んでるのと同じだ。
やっと俳優として生きて行くって決意して歩き始めたばっかだったのに
すぐ道に躓くなんて情けないだろ…」
情けなくなんか無いよ。
それだけ凄く凄く悩んで導き出した答えまでの過程があるんでしょう?
夢の選択から逃げないで向き合ったんでしょう?
目を背けて逃げてばかりのあたしとは大違い。
だからこそ、選び掴み取ったものが失われそうになる時
こんなに苦しいんだ。
「死んだら、誰かの心の中に残るのかな。
そんな演技をまだやれた気がしなくて。
皆“良かったよ”って言ってくれるけど。
本当は誰の心にも残って無いんじゃないかって怖い」