【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「でも、その後もサンドイッチの嫌がらせは続いてたのよ」
私の言葉に翔さんは「そうだったんだ」と肩を落とし、それから何かを決意したかのように顔を上げると、「もう一度、はっきりさせておこう」と携帯を取り出した。
操作する様子を横から見ていたところ、「着信拒否」の設定のところに彼女の電話番号があった。
「着信拒否にしてるの?」
「半年くらい前からね。彼女には、私用の携帯は持つのやめたと言っておいた」
さすがにおかしな方向に関わりすぎてしまったと反省し、何とかさりげなく距離を置こうと必死だったのだという。
でも嫌がらせが続いているのなら、彼女が傷つこうが、今度は泣かれようともはっきりと突き放すと翔さんは断言した。
「……だったら、直接会ってみてくれない?」
「え?」
「それで、私の前で彼女に確認して欲しい。さっき言ってたこととかも」
「さっき言ってたことって?」
「手をつないだのは彼女からで、自分からは一度もないとか、そういうのも全部」
信じていないわけではないけど、友達と口裏合わせをしていた可能性も否定はできないと思ったからだ。
「いいよ。そのあたりも、はっきりさせておこう」
そうして、翔さんが小倉さんを呼び出すことになったのだった。