恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
「してよ!」

勇敢で心優しい黒兄が、母さん猫をせかします。

「どうせ嘘だし、全然こわくないしっ」

しま兄は体を丸めて、目を閉じます。

「…」

白ちび猫は、黙ったまま母さん猫のそばに、ぴったりと張りついています。
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