純愛♡ごっこ
顔を上げた陸と、一瞬だけど目が合った。
あたしは直ぐに、彼から視線を逸らせた。
─ あたしだって気付いたかな?
「ありがとうございました!」
陸の声を背に受け、シンのあとを追い、足早に車へと向かう。
悪いことなんてしていないのに、とてもヒヤヒヤしていた。
だけど、陸は話し掛けて来なかった。
─ 良かった‥
助手席に座ると、運転席のシンはエンジンを掛けながら、不機嫌な声で言った。
「この店、男の従業員多いな。夕凪、ひとりで来るなよ。」