運命の、その場所で

不安


卒業式の次の日…

私たちは初めてデートをした。



って言っても、いっつも遊んでたからデートって感じはしない。


いつものようにうろついて、どうでもいいことに突っ込みながら街を歩く。



ただ違うのは、ずっと手を繋いでること



「あ、ミスド行こ~」

結局、入る店も同じなんだ…


私たちは、いつものようにミスドに入った。


「もう雪降らないのかな?」

カフェオレに砂糖を入れて、混ぜながらナチが聞いてきた。

「そりゃー、もう降らないんじゃない?暖かいし…」

そう言うと、ナチは悲しそうな子供の顔をした。

「え~…ヤダ。」

「ヤダって…仕方ないじゃん! 北海道なら降るんじゃない?」

「北海道か~…遠いな…」

遠い目をしながら一口飲んで、ニコっと微笑んでる。


「また今年振るよ!12月になれば…」

「・・・」

何も言ってこないナチ・・・


どうしたんだろう?



「ナチ?」

「…そうだな、12月にまた降るよな。」

ナチはまた寂しそうな顔をした。
けど、今度は子供っぽくなくて大人びいた目…


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