運命の、その場所で
ナチは背中においていたデコを挙げると、また私を強く抱きしめてくれた。


「なるかよ。…すきすぎて…キライになんか、なれねーっつーの。」

クスっと笑って、また首筋に唇を落とした。


―チュ


今度は優しく首筋にキスをしてくれた。



ナチの唇が離れるとすぐに振り返り、正面からナチに抱きついた。



「好き、ナチ…好き。」

「知ってる…。」

ポンポンと頭を撫でながらナチは話を続けた


「俺、マジでユキが好きなんだ。だから…簡単にそういうことするのイヤなんだ。
ミナに聞いたかもしれないけど、俺…赤ちゃん捨てたことあってさ…もう、そういうのしたくないんだ。」


悲しいそうなナチの声に、私は大事な事を忘れていた


そうだ…ナチは、昔そういうことがあったんだった…


産みたいと思うナチの気持ちとは反対に、結局赤ちゃんは姿を消したんだ…


公園でチビッコと遊んでるナチを知ってから、ナチは小さい子が好きって事もしってた…

私に子供を産む覚悟があるとか、ないとかよりも…

ナチの気持ちも確認してないのに一人でつっぱしってた…


周りに流されて、ただ自分の欲求だけで動いてる…



「好きだから…本当に愛してるから。
そんな風に確かめ合うのは、違う…だろ?」



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