運命の、その場所で
「普通なの!…別に嫌いじゃないし…それに…」
「それに?」
「友達…でしょ?」
そう…彼は友達なの。
「そうだったね!…だからフツウか。」
「うん。」
私にとって、男をフツウに思うだけでもすごいコトだった。
友達として、彼は本当にいい人だし。
今までの世界観が変わるくらい…彼はいい人。
「うーん…じゃーさ、
今度は俺から聞いてもいい?」
彼は立ち上がって、
ズボンに付いた砂を叩いた
「なに?」
私も、やっと涙の止まった目から手を離して彼の方を向いた。
「どうして…ナチって呼ばないの?」