寂しがりやの猫
退職まで あと一週間という日。

結城が私に送別会を開いてくれた。

やたら長い間 務めたので 営業部はもちろん 総務や企画からもたくさんの方達が参加してくれて、随分と大袈裟な会になってしまった。


結城は 私のイメージに合わせて、とお洒落なレストランを貸し切りにしてくれて、送別会というより 結婚式の二次会のようになった。


「なんか、ごめんね。こんなにして貰って」

私は 恐縮して結城に頭を下げた。

「そんな!当然ですよ。中河原さんは みんなに慕われてたんですから!」

「アハハ… ありがとう。じゃあ あとは千里ちゃんに任せた!」

ポン…と結城の肩を叩き、で?田村とどうなった?とドキドキしながら聞いてみた。


「あ、それが…」


結城は ちょっと下を向く。

「どうしたの?」


「田村くん、好きな人がいるみたいなんです」


「へえ…そうなんだ…」

― そうなんだ、そうなんだ…
と頭の中で繰り返した。
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