寂しがりやの猫
― 好きな人か…

田村 随分と人脈ありそうだったし、次の彼女は モデルかCAってとこかもな。


わいわいと騒ぐ上司達に挨拶して周りながら 田村の姿を探す。

― えっと… 新入社員達は…

キョロキョロしていると仲澤に声を掛けられた。

「こら 主役」


「え!あ、仲澤くん」

「全く 仲澤くん、じゃねえよ。お前なあ 辞めるならなんで俺に一言…」

「ごめ…」

―え?仲澤くん泣いてる?


「ばか、何 泣いてんのよ」


「お前、よく頑張ったよなあ!女のくせにさ!」


ギュッと抱きしめられて、背中をばんばん叩かれた。
「俺 お前の強さに憧れてた。やっぱり好きだよ」


「仲澤くん…」


入社した頃のことを思い出す。

私も ちょっと泣けてきた…。
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