寂しがりやの猫
二人の時間
お昼休み。

会社の裏門で待っていると、田村が営業車で戻ってきた。


「乗って下さい」

田村は 助手席のドアを開ける。

「いいのかな」


「ちょっとだけだから大丈夫でしょう。もし見つかったら俺が怒られておきます」

田村は 笑って車を発進させた。


「どこに行くの?」

「いいとこがあるんです」


「へぇ 楽しみ」


田村は 何故か黙ったまま田舎に向かって車を走らせた。


「こんなとこにお店なんてある?それに時間…」

時計を見ると12時15分を指している。

不安になって田村を見たが、ニコニコ笑っているだけだった。
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