寂しがりやの猫
田村は ちょっと眩しそうに私を見て、また話し出した。

「それで…」


「うん」

「あの社内旅行の日も いつものように はしゃいでたのに、宴会の時 急に寂しそうな顔してたでしょう。俺、なんか堪らない気持ちになって」


「そうなんだ… 見てたんだね」


「はい。仲澤課長から 結婚でも申し込まれてるのかな、って思ってたから。だからきっと中河原さんは結婚したいんじゃなくて、ただ居場所が無いって感じてるんじゃないのかなって」


「よく… 判るね」


「はい」

「田村は どうして私のことが判るの?」

「さあ。どうしてかな」

田村は ちょっと腕組みして考えこんだ。
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