寂しがりやの猫
「似てるのかもしれません」


「似てる?」


「はい。俺もなんとなく 自分の居場所がうまく見つけられないほうだから」

「そっか」

田村は 急に思い出したように 腕時計を見た。


「もう 行かないと駄目ですね」

「そうだね」


田村は二人分のゴミを集めて、私から膝掛けを受け取ると手を引いてくれた。

「ありがとう」


田村の手が暖かくて心までほっこりした。
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