寂しがりやの猫
「奈都さんは 判らないんですね。男の気持ち」

「え」

私は 田村の顔を見た。


「奈都さんみたいに 大人で美人の彼女を持ったら男は 大変なんです」

「は…い…」

「ばかみたいかもしれないけど、少しでも奈都さんの気を引きたくて、電話するの我慢したり、前の彼氏や他の男の人達と違うことをしたいって思ってるんです」


「そうなんだ…。ごめん」


私は ちょっと反省した。


「いえ。こちらこそすいません、なんか…」

マンションの前まで来て田村は手を離した。


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