寂しがりやの猫
キス
「そうかあ!良かったじゃん!想いが叶って!」

悠里は、嬉しそうに言うと、今日は奈都の驕りだかんね~ とメニューを見た。

「ちょっと~ あんまり 頼まないでよね!こっちは 無職のプータローだし!まだ失業保険だって下りてないんだから」


アハハ… 判ったよ。じゃあ 今日は驕ってあげるわ」

悠里は 空になったグラスを下げさせて 次の呑み物を注文した。
「でもさあ…」

私は つい愚痴るように言ってしまった。

「もしかして 性欲があんまり無いのかな… 最近の若い子って」

「ああ~ それは あるかもね。昔みたいに 据え膳食わぬは… みたいなのは あんまり無いんじゃない?」

「そうだよね… やっぱり」


「そんなのいいじゃん。奈都から襲っちゃえば」

「襲っ…て!無理無理無理!田村の顔見たら笑っちゃって」

私は クスクスと笑った。
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