寂しがりやの猫
再会
1年が過ぎ、また秋がやってきた。

一生懸命 仕事をし、正社員にして貰えた。
少し充実した気分で悠里を呑みに誘うと、悠里は 良かったね、と言って出てきてくれた。

「しっかし、ほんとに奈都って男運があるんだか無いんだか」

悠里は なんだか愉しんでいるみたいだった。

「ほんとにね~」

そろそろ空気が冷えてきて、ビールも余り欲しく無くなってきた。久しぶりに日本酒でも呑もうかな、とメニューに目を落とした。

「で?それから全然連絡無いの?」

「うん、無い」

「そっか」

悠里は それ以上 田村の話に触れないようにしてくれた。

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