寂しがりやの猫
「んー なんだろ…。若かったし、勢い? あの頃は旦那のこと好きだったし、毎日 ご飯作ってあげたいなーなんて」

悠里は ちょっと照れくさそうに言う。

「で?毎日 ご飯作れて 今 幸せ?」

私が 意地悪く聞くと 悠里は バシバシと私の肩を叩いた。

「んな訳無いでしょー! たまに 食べて来るって言われたら 小躍りするっつーの!」

「アハハ…!小躍りって!」

主婦って そんなことで 小躍りするくらい嬉しいなんて、なんだか可愛いな、と思った。

「やっぱり 悠里は いい奥さんだねー。私が男だったら、悠里と結婚したい」

私が言うと 悠里は アタシもー、と言いながら寄りかかって来た。
「よしよし、じゃあ 俺の女になって毎日ご飯作ってくれ」

私がふざけると なんでよー!と また バシバシ肩を叩かれた。
< 21 / 214 >

この作品をシェア

pagetop