寂しがりやの猫
田村と課長が 外回りに出ていき、結城と二人だけになった。

結城は ちょっとリラックスした様子で 中河原さん…と こっそり 話しかけて来た。

「何?」

忙しいふりで結城を見ずに答える。

「昨日の合コンね、酷かったんですよぉ」

「酷かったって?」


「相手の方達… なんとみんなバツイチのオジサンだったんです」

ウケようとして ちょっと面白く言ってくるのが ムカついたが、まあ 若いからな…と広い心で受け止める。

「そうなんだ~ そりゃあ 酷いわ。バツイチ会でもあるのかな」

「そんな感じです。誰が一番に バツイチ会を抜けるか競ってるみたい」


アハハ…と二人で笑い、なんだか惨めになる。

― バツイチならまだいいじゃん。こっちは まだ ○イチすらついてないのに。


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