不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
私も列に並ぶと、女の子達と体育館に入ってきた村上君が手を振ってきた。
ぎこちなく手をふりかえせば、村上君は嬉しそうに笑う。
「ここちゃん!俺がいなくて寂しかった?」
「え、別に寂しくはない、けど。」
急に女の子から離れて私のもとに来て聞いてくる彼に少し呆れた。
知り合いがいないために、ちょっとだけ不安だっただけだ。
断じて寂しかったわけじゃない。
「ならいーけど!寂しかったら何時でも俺の腕の中に来てね!」
「い、行かないし!」
村上君は あはは と声をだして笑った後、また後でねと言い残して自分の場所に向かった。
暫くすると入学式が始まる。少しざわついていた体育館がシンと静まりかえる。
刹那、大音量でバンド部による演奏が始まりステージにスポットライトが当てられた。
校長が登場し、ステージの真ん中に立つと長い話しが始まる。
時間が経つのが遅い気がした。
早く終わらないかなあ、と思った時だった。
「新入生代表、佐倉理来。」
「はい。」
突然幼なじみの名前が響き渡り、私は驚いて視線を前に向けた。