不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。


二口めも食べさせてくれるらしく、スプーンを近づけてくる。さすがに恥ずかしくなってきた。

「じぶんで食べれるよ。」

「ちゃんと全部食べろよ!」

理来は私に器を渡して真剣な表情でそう言った。頷いてからひとくちずつ口に運ぶ。理来はその様子をじっと見ていた。正直たべにくい...。

「り、りく。」

「ん?」

「そんなに、見ないで、クダサイ。」

そういうと、彼はかああっと顔を真っ赤に染めた。どうやら無意識に見ていたらしい。

「あっ、ご、ごめん。」

バッ、と私から視線を逸らし謝る。なんだか可笑しくて思わず笑えば「笑うなよ!」と言ってきた。

「っぷ、ふふ..、あ。」

笑っていたら器を持つ手の力が弱まり、そのまま落しそうになった。理来は咄嗟に手を伸ばした。ギリギリのところで受け止めて、ふう、と息を吐く。

「あぶねえなあ。」

きをつけろよ、と言い理来が私を見て固まった。器を受け取ろうと身を乗り出したせいで理来と私の距離はすごく近かった。

理来は思わず視線を逸らす。

「理来?」「ッ、それ、誘ってんのかよ。」「はぁ?」言ってる意味がわからず間抜けな声をだせば理来は顔を赤くしたまま顔を近づけてきた。

「え、ちょ、私風邪ひいてっ、」

理来は私の頭の後ろに手をまわすとそのままぐい、と近づける。


「ッ、あ、ふ。」


唇が重なる。

せっかく少し下がった熱が一気にあがった気がした。

再び頭がぼやぼやしてきて、訳がわからなくなる。

無意識に理来の服を掴むと、彼はそのまま私を押し倒した。
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