不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
しかし、何時まで経っても痛みはこない。
ゆっくりと目を開くと、さっき先に帰ったはずの尾花さんがいる。
叩かれた衝撃でウィッグが落ちていた。
右頬を赤く染めた尾花さんは上級生に微笑んだ。
「...喧嘩は良くないよ。」
にっこり。
理来そっくりな笑顔で言えば上級生はサーと顔を真っ青にする。
「え、り、理来、君?」
「尾花薫(かおる)。佐倉君とはなんの関係もないよ。
っていうかさ、イジメは良くないと思うんだけど。」
「っっ~!」
「心ちゃんは俺の大事な友達、なんだよね。
これ以上何かしたら父さんに言っちゃうかも。」
「...え?」
「俺の父さん、理事長だから。君達を退学させることくらい簡単だよ。」
尾花さんがそういうと、上級生は一目散に逃げ出した。
ぽかーんとしてその光景を見ていると、尾花さんは振り向き私を見て表情を歪める。
「大丈夫か?」
「う、ん。ありがとう尾花さん。」
「担任に川村もつれてこい!って追い返されて良かった。」
追い返されてなかったら今頃大変なことになってたね。と笑う尾花さんを見て
泣きそうになった。
私の代わりに叩かれた頬が痛々しい。
「尾花さん、本当にごめんね。」
「何が?」
「その頬。」
「ああ、別に痛くないしいいよ。」
気にすんな、と言って私の頭を軽く叩く彼が理来に見えて
私は我慢できなくなり涙を流した。