【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
私が歩き続けて数時間はたったかな?と思い始めていたときだった。
・・・おかしい。
私はその場に立ち止まり、ふと考えた。
私がお使いに出かけたのは、昼の2時頃だったはず。
今は冬で、こんなにも暗くなっている。
ということは、今はきっと6時ぐらいだろう。
いくら、お使いに出かけたと行っても、何年もここに住んでいる人間が道に迷うなんて、ありえない。
なのにこんなに遅くなるということは、何かあった、と普通なら思うはず。
普通は警察にでも連絡して探しているのかもしれない。
でも、私が森に入ったばかりの頃は、誰かがくる音が聞こえる以前に、声さえも聞こえない。
それに私は、携帯を持ち歩いているのに、お母さんから一向に連絡が来ない。
やっぱりおかしい。
私はポケットに入れておいた携帯を取り出し、着信履歴や受信BOXなどを見た。
・・・誰からも連絡が無い。
本当に、誰からも。
仲のいい友達は愚か、お母さんからの連絡も無い。
この事実がおかしいと思わない人なんていないだろう。
・・・一体、私の身に何が起こっているのだろうか?
私はそんなことを思いながら、携帯を見つめ連絡がくるのを待った。
でも、いくら待ってもこなかった。
私は、誰かに助けてもらいたい、という淡い期待を消して再び森の中を歩き始めた。
いくら歩いても、意味が無いということは気付いていたのだけれど。