Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―


弱々しく瞼を下ろしていく仙太郎は、「だいじょーぶ」大丈夫だよ、とおれ達の頭に手を伸ばす。


「ちょっとイタイだけ。だいじょうぶ…、だいじょーぶ…、すぐよくなるよ」


うそ、結構イタイかも。

だけど、だいじょーぶ…、きっとだいじょーぶなんだ。
だからそんな顔しないでよ、ね?

せっかくのクリスマス・イブなんだから。


おとーさんと…、おかーさん…、あいたいなぁ。


「ち…いっぱい」


伸ばしている自分の手を見た仙太郎は、大丈夫だけどダイジョウブじゃないかも、と一笑した。


死んじゃうのかな。

死んじゃうかもしれないな。

死んじゃったら…、何処行くんだろ。


またお父さんとお母さんの子供、なれるのかな?


< 44 / 59 >

この作品をシェア

pagetop