Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―
弱々しく瞼を下ろしていく仙太郎は、「だいじょーぶ」大丈夫だよ、とおれ達の頭に手を伸ばす。
「ちょっとイタイだけ。だいじょうぶ…、だいじょーぶ…、すぐよくなるよ」
うそ、結構イタイかも。
だけど、だいじょーぶ…、きっとだいじょーぶなんだ。
だからそんな顔しないでよ、ね?
せっかくのクリスマス・イブなんだから。
おとーさんと…、おかーさん…、あいたいなぁ。
「ち…いっぱい」
伸ばしている自分の手を見た仙太郎は、大丈夫だけどダイジョウブじゃないかも、と一笑した。
死んじゃうのかな。
死んじゃうかもしれないな。
死んじゃったら…、何処行くんだろ。
またお父さんとお母さんの子供、なれるのかな?