Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―
「こんどは…、けんこーに生まれくるから…、セキしないから…、だからまたこどもでいい?」
やめてくれ。
やめてくれ。
やめてくれ、仙太郎!
そんなこと言うのはやめてくれよ!
お前が喘息を持っていうようが、手を煩わせようが、そんなの関係ないんだ!
今、たったいま、お前の気持ちを知っておれと頼子は、お前に何か喜ぶことがしたいって思ったんだ!
なのに、またこどもでいいとか、言うのやめてくれよ!
お前は、おまえは、おれたちの大事なひとり息子じゃないか―――…!
最後に見た仙太郎はパタッと力尽きたように手を下ろす、痛々しい姿だった。