Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―
(寝静まったら枕元に、買っておいた図鑑を置いてやっておかないとな)
目尻を緩め、おれは窓の向こうを見つめる。
分厚い雲で覆われている空。
明日は雪でも降るかもな。
(そういや、あの精霊…、消えたままだったな。いや、きっと今頃世界中を飛び回っているに違いない)
おれ達に大切な贈り物をしてくれたあの押し売り悪徳商売人のナリと、姿からして、精霊ではないだろう。
あいつは精霊なんて言っていたけれど、なんだか堅苦しい。
だからおれはあの精霊をこう呼ぶことにする、サンタクロース、と。
これがクリスマスの奇跡と称するのならば、おれはそれを受け入れよう。
ああ、そうだ。
あいつがもしも、忘れ物について口ずさんだから、おれと頼子は必ずこう答えないとな。
≪忘れ物は見つかった。こんなにも近くにあった、よ≫
―――…Merry X'mas.
I wish you a very Merry Christmas.
End.


